オイル基本知識



エンジンオイル編

エンジンオイル入門 エンジンオイル管理
エンジンオイル交換:アドバイス&注意点
  • ススの出易いガソリン直噴エンジンやロータリーエンジンは、一般的なガソリンエンジンよりもエンジンオイルにとって厳しい条件となるため、短期間での交換が推奨されている場合が多いです。また、専用純正オイルが用意されている場合もあります。また、ロータリーエンジンでは、アペックスシールの化学合成油による侵食劣化が原因での気密漏れ事例も報告されており、ロータリーエンジン(特にFC以前の搭載エンジン等)には高粘度で攻撃性の低い鉱物油が良いとされています。
  • 一般的な鉱物油の基油で粘度指数が100未満、PAOやVHVIで130程度ですが、このままではまだ要求する粘度指数に満たないため、粘度指数向上剤(ポリマー)を配合し粘度指数を上げていますが、配合されている添加剤は変質しやすいので時間の経過と共に粘度が失われていきます。また、エステル系の化学合成油は水分が加わると分解(加水分解)しやすい性質があるため、加水分解防止剤が添加されていますが、長期間の多湿地域での走行などでは短い期間で交換を要する場合があります。
  • 一方でPAO系の化学合成油はPAOの化学的安定性が非常に高く、また耐熱性も高いために長期間の放置、長距離、長時間の使用に耐えうるロングドレイン油として使用されています。鉱物オイルにおいても、配合される添加剤によって熱安定性が増場合もあります。一般に売られている化学合成油の殆どはPAOをベースにしているために交換推奨距離、期間が長いものが多いです。
  • このように化学合成油といっても、ベースオイルや添加剤によって耐久性が異なり、全てが長期間、長距離使用できる訳ではありません。また、化学合成油はオイルシールに対する攻撃性(分子の細かさから来る浸透性)が、鉱物油より高く(PAO系=収縮性・エステル系=膨張性)、化学合成油の使用を前提としないオイルシールを使用した旧車等では、オイル漏れが発生する可能性があります。
  • エンジンオイル交換の際に上限を超えた量を注入すると、エンジン内部(クランク等)にオイルが干渉して内部抵抗が増え、燃費が悪化したりオイル中に気泡が発生したりし、エンジンオイルの寿命が極端に縮まることがあります。その為、オイルは適正な量を充填しなければなりません。
  • 2000年頃から販売されている低燃費車で採用されている0W-20等の低粘度オイルですが、これにはメーカーによっては工場充填の際に二硫化モリブデンなどのエンジン保護添加剤が高濃度で添加されているものもあります。

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