エンジンオイル編 |
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規格による分類:ACEA | ||||
ACEA(アセア)とは欧州自動車工業会のことであり、Association des Constructeurs Europeens d'Automobilesの頭文字を取ってACEAと略しています。本部はベルギーのブリュッセルにあります。 日本ではエンジンオイルの規格としてACEAが制定したACEA規格(Oil Sequences)がよく用いられています。 ACEA制定の背景 アメリカのAPI規格やILSAC規格が省燃費方向に進み、またリンや硫黄といった、触媒に悪影響を及ぼす添加剤の配合量の規制が厳しくなってきたことから、ヨーロッパでの自動車の使用環境や排気ガス規制にそぐわなくなって来ました。そういったことから、ヨーロッパの自動車製造者協会と石油会社、消費者の代表によって組織が立ち上げられ、1980年代に独自のCCMC(Committee Of Common Market Automobile Constructors)規格が制定されました。CCMCは利害関係により解散することになりましたが、その後1996年からはヨーロッパ自動車工業会、略してACEAが発足し、新しくACEA規格として運用されています。ACEAにおける規格の認証の管理は、EELQMS(European Engine Lubricant Quality Management System)によって行われています。 ACEAの概要 ガソリンエンジン用としてA1、A2、A3、A5の4グレードが設けられています。軽負荷(乗用車)ディーゼルエンジン用としてB1、B2、B3、B4、B5の5グレードが存在しています。 DPF (ディーゼルパティキュレートフィルター)付き車両用の低灰分ディーゼル用オイル(LOW ASHオイル)としてC1、C2、C3、C4の4グレードがあります。高負荷(大型)ディーゼルエンジン用としてE2、E3、E4、E5、E6、E7、E9の7グレードに分類されています。ディーゼル車の普及が著しいヨーロッパらしく、ディーゼルエンジン用オイルの分類が充実しているのが特徴です。現行のACEA 2008ではA2、B2、E2、E3、E5は削除されています。 API規格では新しいエンジンに適合しなくなった古いグレードは順次廃止されて行くが、ACEA規格では各グレードごとに目的や対象となるエンジンが明確に分けられており、エンジンの要求に合わせて各グレードの基準が個別に更新されていきます。A1-02、A2-96、B1-02、B3-98というように、グレード表示、ハイフンの後に基準が制定・更新された年度が付記されています。数年おきに規格は更新され、最新はACEA 2008です。なおACEA 2004よりAカテゴリとBカテゴリは統一され、Ax/Bx表記となり、ガソリン・ディーゼル兼用規格となりました。それと共にDPF付きディーゼル向けのCカテゴリーが導入されました。Cカテゴリは独立したカテゴリーですが、A/B規格と共に表記されてることが多いです。 総じてAPI規格よりテスト項目が厳しく、HTHS粘度の規定値も高いです。オイルシールへの適合性も試験項目にあるのが特徴です。(ただしAPI規格であってもディーゼル用ではCI-4以降の規格はオイルシール適合性が求められており、ガソリン用ではSN規格から求められるようになりました。 ACEAによるエンジンオイル品質分類 ガソリン軽荷重ディーゼルエンジン用
排ガス対策装置装着車用
高荷重ディーゼルエンジン用
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